story
お守りのようにそばにあるレザーアイテム
mami matsuoは、そっとそばにある日々のお守りになる子たちを制作、お贈りしています
革やファーはもとは生きていた動物たち
そこに残る痕跡やほころび、息づかいのかけらを感じながら、日々制作しています
革やファーがより居心地よくいられるように、注意深く声を聞きながら作ることを大切にしています
ミケランジェロの残した言葉に、
「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている
それを発見するのが彫刻家の仕事だ」
というものがありますが、
革もファーも、それぞれが成る形を内包していると思います
私が作り出すのではなく、革はなりたい形を知っている
それを観察して、形作るように、その革がもともと持つ魅力を余すところなく魅せられるように、探りながら作っています
八百万の神と呼ばれるように、モノには命のようななにかが宿ると思います
ぬいぐるみに対してこわいと感じることがあります
これは石や岩、流れる水、自然への畏怖に近く、同じように革やファーに対しても畏怖を感じます
ぬいぐるみも革も、愛おしく慈愛の対象であり、同時に恐れ多く崇高なものだと思うのです
身近なものの死を体験し、喪失の中にいたとき、そばにはぬいぐるみがいてくれました
自分にとって大切な命を失うことは、自分の一部を乱暴に奪われるような、深い喪失があります
喪失や苦しみの中にいるとき、同じ形の人間では寄り添えなくても、依代として命宿るモノならそばにいることができるかもしれない
すこしの苦しみやつらさと共に生きる人に、柔らかい光がさしますように
前へ手を引っ張っることはできなくても、つらいときも健やかなときも、ただそっと隣にいてくれるようなお守りをお作りしています
profile

松尾 茉実
1997年 神奈川県生まれ
多摩美術大学 テキスタイルデザイン専攻卒
2020年頃から革やファー小物を制作、販売
2022年4月 mami matsuoをスタート